このページでは現在の「学習塾」を取り巻く環境について記載しております。長文となりますが、「学習塾」の現在について私の知る限り記載させていただきましたので、塾選択の一つの参考としていただければ幸いでございます。

南加茂台地区の現状

学習塾との出会い

昨今の「学習塾」事情

学習塾の選択

「ながも塾」の位置づけ

最後に

 

南加茂台地区の現状

現代日本はまさしく少子高齢化、総務省の統計によると2000年に140万人を数えた小・中学生の数はこの20年で100万人近くにまで減少した。

その結果、経済の担い手である若者がよりたくさんの高齢者を抱えるという逆ピラミッド型の人口分布の国となってしまいました。

南加茂台地区の通学圏である南加茂台小学校、泉川中学校にしても生徒数は減少しつづけています。

しかしながら、子供一人にかける金銭的な支出は増加の傾向にあります。すなわち、「量より質」の時代に突入してきたということです。

教育費についても同様で、バブル期と今日の子供一人当たりに占める教育費の割合は増加傾向にあり、我が子にかけるご両親の熱い期待のほどを感じ取ることができます。

さらに状況を絞り込み木津川市の学習塾について見てみると人口密集地区(この辺りでは梅美台・城山台辺り)は大手のフランチャイズ学習塾が軒を連ね、厳しい生徒の争奪戦が繰り広げられております。しかしながら子供の数がそれほど多くない地域(まさにここ南加茂台地区)では、そもそも学習塾がありません。我が子に十分な教育をしようにもその場所すら提供されていないのが現状です。

この近くではJR加茂駅周辺に2社ほど有名なフランチャイズ学習塾があり、南加茂台地区にお住いの小・中学生は遠い、暗い夜道を自転車で通塾する、もしくは親御様が時間的な負担を顧みず送迎をしているというのが現状ではないでしょうか。

私は縁があり、3年前にこの南加茂台地区に居を構えることとなり、この現状を知り、地域の格差についてまざまざと見せつけられました。

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学習塾との出会い

私が「学習塾」という存在に出会ったのは私がまだ幼少の小学4年生の時でした。いわゆる「団塊ジュニア」と呼ばれる世代であり、当時通っていた小学校では1学年あたり120名ほどの生徒が近くの小学校に通い、中学校にいたっては1学年480名12クラスというマンモス校で今からだと考えられないほどの子供達がいた時代です。

そんな時代ではありましたが、現在とは異なり大手の学習塾チェーンはそれほど多くなく、あったとしても特急の停車するような大きな駅前であったり、都市部に集中していたように思います。

その一方で、私が小学生時代を過ごした地区には学習塾が1教室あるだけで、しかも今にも廃業しそうな荒物店の2階の和室を教室として開放しているようなこじんまりとした「寺子屋」という表現がぴったりくるような学習塾でありました。当時はまだ子供を塾に通わせて学校授業の補強をするという考えがいまほど一般的ではなかったのかもしれません。

当の私も友人がたまたま通っていたその塾に紹介で入塾させてもらい、気の合う友達と半ば課外学級のような感覚で通塾していた記憶があります。

私自身がそんな気持ちで通塾していたため、当然成績が格段に伸びるわけでもなく、県内の平均的な公立高校に進学するという無難な進路を進むこととなります。そんな私に転機が訪れたのは高校1年生の冬でした。

当時、私はいわゆる「不良」でした。高校デビューというやつです。髪を金髪に染め、原付バイクで夜な夜な遊びまわり、何度か補導された経験もあります。

当然のごとく高校より指導勧告を受け、1年生の冬にめでたく自主退学をすることになってしまったのです。

ここまでお読みになると、なんだ、全然ダメじゃないですか。と、お感じになられると思います。当時の私も皆様と同じ感想を自分自身に持ったのです。

このままではいけない、なんとか自分を更生しないと人生の落伍者(友人に本気でそう呼ばれました)になってしまう・・・どうしよう。高校に入りなおすか?しかし、もう一度、高校に行ったとして同じことを繰り返してしまうのではないか・・・そんな自問自答をしていたところ、たまたま小・中と通っていた塾の近くを通りかかると、当時も今も変わらぬ塾長と再会したのです。

私は思い切ってこの塾長に現在の状況について告白し、アドバイスしてもらうことを期待しました。

すると「まだ敗者復活の機会はある、大検(現在は高等学校卒業程度認定試験)という選択肢がある。ここで大学に進めば高校中退だろうが関係ない」そういうアドバイスを受けることができたのです。

私は人生をやりなおすつもりで(16歳という若さでしたが)必死で勉強に励みました。当然、塾長の勧めで当時通っていた塾に通わせてもらい、徹底的な指導をうけることができました。

その結果17歳の時に大検の全科目に合格し、晴れて大学入学資格を他の高校生に先んじて手に入れることができたのです。しかしながら日本の法律では飛び級は認められていないため、スタートラインは一緒です。

その後は大学に進学し、その塾で今度は講師としてアルバイトをおこない、中学生、高校生を中心に講義を行い、自らの失敗、経験を踏まえて生徒たちと接してゆくことになりました。

あの時、塾長と出会ってなかったら、大検という選択を勧めてくれていなかったら、今の私とは全く違った私になっていたことと思います。

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昨今の「学習塾」事情

私自身、このような経験をしてきたので「学習塾」はまさに恩人であり、当時の塾長に救われたことは本当に幸運であったと思います。

しかし昨今の「学習塾」はいわゆる大手のフランチャイズ塾が主流であり、立派な教室、整った設備、派手な宣伝広告などなど大手ならではの手法で生徒を集め収益を得ています。少子化の煽りを受けて各社とも必死の生存競争を繰り広げています。そんな中、懸念されるのが「学習塾」の役割という観点です。

そもそも「学習塾」の本来の役割は学校授業で学んだ内容をより深堀し、将来の受験に向けて準備を行い、成績を上げることにあります。

確かに、大手のフランチャイズ塾は大手ゆえに完璧なカリキュラムが組まれ、テキストもより練りこまれており、その通り進めれば目標に到達できることを最大の武器としているのですが、私はこの点に危うさを感じています。

大手のフランチャイズ塾の欠点をいくつかご紹介します。

 

  • 料金が高い

まずなにより挙げられる点として大手のフランチャイズ塾は料金が高めに設定されています。それも当然の話で教室の維持管理や講師の人件費、本部へ支払うロイヤリティなど様々な経費がかさみ、それらを賄うだけの授業料を回収しなければそもそも教室を維持することができません。自然と授業料は高くなってゆきます。

  • きめ細かな指導が行き届かない

大手のフランチャイズ塾の1クラスの人数は20名ほど、多ければ40名ほど在籍しており、講師は定められたカリキュラムを元に講義を実施してゆきます。

これだけの人数がいれば当然のごとく理解度に差が出てきます。しかしながら、そういった理解度の差を埋めるための補習や補講は有料がほとんどであり、授業についていけない子供は自然と淘汰されてゆくことになります。

せっかく高額な授業料を支払いながらこれでは本末転倒と言わざるを得ないでしょう。

  • 優秀な講師に出会えるかわからない

昨今では有名予備校のカリスマ教師もすっかり芸能人化し、テレビCMやバラエティ番組などで人気を博しておりますが、実際のところこういったカリスマ講師が存在する学習塾は極々一部であり、大半は現役の大学生アルバイト、もしくは指導に慣れていない若手の社員というのが実情です。

もちろん必死に子供たちの成績を上げるために日々研鑽している講師も多数いるとは思いますが、入塾したクラスの講師が必ずしも優秀な講師である可能性は運任せであるといえます。

  • 融通が利きづらい

大手のフランチャイズ塾は年間のカリキュラム、時間割など完璧なシステムのもとで運用されているため、基本的に融通は利きにくいです。例えばやむを得ず塾を休まなければならない場合でも振替授業は基本的にありません。あったとしても有料であり、子供たちは遅れた分を必死で自力で取り返さないといけません。

大手でシステムがしっかりしているからこそ、融通が利きにくい、すなわち一人一人に対応しにくいという状況が生まれてきています。

また、最近では個別指導を謳う学習塾も増えてきており、生徒2人~3人に対して講師が一人つくというスタイルが主流です。一見良く見えますが、やはり大手のフランチャイズ塾と同じような欠点を含んでおり、特に経済的な部分ではそれが顕著で親御様への負担も相当なものとなります。

このように、現在における「学習塾」の形態は完全なビジネスであり、「学習塾」の持つ本来の目的である「成績を上げる」ことよりもビジネスとして収益を上げる方向に向かっている気がしてなりません。もちろん「学習塾」に通えば成績は上がります。しかしそれと引き換えに投資される経済的な負担が必ずしもバランスがとれているとは思えないのです。

しかし一方では「学習塾」における社会の役割と責任を理解し、ビジネスではなく教育現場という視点で小規模ながらも学習塾を経営されている方もたくさんおられます。(決して大手のフランチャイズ塾が教育現場という視点を持っていないという意味ではありません)

こういった塾のことを大手のフランチャイズ塾と比較して「個人塾」という表現で呼ばれたりします。個人塾の特徴についていくつかご紹介しますと、まさしく大手の逆を突く手法で支持されています。

  • 料金がリーズナブル

先ほどの大手のフランチャイズ塾とは真逆で、個人塾は経費はそれほど過大にはなりません。従って授業料そのものを安く設定することでき、親御様の経済的な負担を軽減することが可能です。

  • きめ細かな指導が行き届く

個人塾の場合、1クラスの人数は多くても10人前後であり、生徒一人一人の学習の進度に合わせたきめ細かな指導を可能としています。また補習や補講も無料ないしは格安で実施されているところも多く、個人塾ならではの面倒見の良さが見て取れます。

  • 講師が教育熱心である

個人塾はその規模の小ささから。塾長の教育に対する想いや考え方をスタッフ講師に伝えやすい環境であり、スタッフ講師もたとえ学生のアルバイトとはいえ生徒たちの成績アップに必死になって取り組む方が多くみられます。

  • 個別に融通がつけやすい

個人塾はたいてい塾長一人+スタッフ数人という小規模な経営を行っているため、あらゆる場面で融通がつけやすい環境にあります。授業の振替や個別の補習などもお子様の環境にあわせて柔軟に対応することが可能となっています。

と、このように書くと大手のフランチャイズ塾の悪口ばかり言って個人塾を持ち上げていると感じるかもしれません。しかしそうではなく、個人塾では到底不可能な大手ならではの指導システムや膨大な情報、最先端の設備といった利点は数多くあります。逆に個人塾は(テナントを借りているところもありますが)たいていは自宅の一室を教室として近所の生徒さんを集めてこじんまりと運営してるところがほとんどだと思います。大手には比べる余地もないほど地味な教室、全国の情報ネットワークなどあるはずもなく、設備も貧弱なものしかありません。

しかし、よく考えてみてください。繰り返しになりますが、「学習塾」の本来の役割とは何でしょうか、すなわち大切な我が子の学業を後押しし、成績をあげることにあるのではないでしょうか。極端な言い方をすれば、我が子さえよければそれで親御様はご満足されるのです。いうなれば我が子に対してどれだけ真剣に向き合ってくれるのか、その点こそが「学習塾」に求められる最も重要なエッセンスではないかと私は感じています。

大手のフランチャイズ塾でも地元の個人塾であっても我が子の成績を上げてくれる塾。そういった「学習塾」を選択すればよいのです。

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学習塾の選択

では、いったいどのように「学習塾」を選択すればよいのか。その前に、どういった「学習塾」があるのかをまずは抑えてゆきたいと思います。

まず最初に区別することはお子様を塾に通わせる目的に関わる分類です。

  • 有名な進学校の受験に合格したい。
  • 中間・期末テストでよい点数を取りたい。
  • 苦手な科目や理解の遅れている単元を補強したい。
  • 毎日学習する習慣をつけたい。

他にもあるとは思いますが大体このような目的をもって通塾をお考えではないでしょうか。

「学習塾」はその目的別に大きく二つの分類がなされています。

  • 進学塾

言わずもがな、難関校への合格を目指す生徒様のための学習塾です。教科書のレベルをはるかに超える内容の詰まったテキストを使用し、難関校にターゲットを絞った問題を繰り返し演習することで、志望校を目指す形の学習塾です。

内容が高度なだけにコマ数も多く料金は高めに設定されています。

  • 補習塾

こちらは進学塾とは異なり、学校授業の補強や中間・期末テストの範囲を中心にした学習内容をメインとしています。当然受験対策も行いますが、進学塾ほど高難易度の指導は行わず、平均より少し上程度の志望校を目指す形の学習塾です。

補習と学習習慣の定着が目的なので、料金は比較的安めに設定されています。

先ほどの目的と照らし合わせみると、お子様がどういった塾が向いてる、ふさわしいのかがわかってくると思います。

次に「学習塾」における指導方法による分類です。

  • 集団指導

1クラス10人~20人程度の規模で一人の講師が黒板の前に立ち、テキストに沿って指導を行う形態です。学校の授業風景を想像していただければと思います。

生徒の数が多い分、理解度に差ができてしまい、授業についてこれない、あるいは授業が物足りないということで学業成績別にクラス分けなどを行っている塾もあります。

講師一人当たりの単価が抑えられるため、料金は比較的安めに設定されています。

  • 個別指導

生徒2人~3人について講師が一人つくという指導法がメジャーです。個別に専任の講師がつくので一人一人の学習進度に合わせた指導が可能なので、授業に取り残されたりすることはありません。しかしながら生徒と講師の相性がとても重要となり、良い講師に巡り合えるかは運次第となります。また講師一人当たりの単価も高額になるため、料金は高めに設定されています。

  • ハイブリッド形式

上記二つのよいところだけを集めた授業形態で個人塾に多い形です。集団指導の形をとりながらも1クラスの人数は10人以内で個別指導のように一人一人の学習進度を捉えやすくきめ細かな指導を可能としています。個人塾に多い指導形態ですので、大手並みの設備や情報は期待できないので補習塾に多い形です。

概ね「学習塾」は上記のような分類がなされていますので、塾選びのご参考にしていただければ幸いです。料金に絞ってお話をすると、進学塾、個別指導は料金がやや高めに設定されており、補習塾、集団指導はややリーズナブルに設定されていると思います。

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「ながも塾」の位置づけ

このたび南加茂台地区に学習塾を開校するにあたっては、前述してきた要素を踏まえて以下のようなSWOT分析をしてまいりました。

SWOT分析とは、経営戦略や計画の現状分析を行うための分析手法で、使用される機会が非常に多い人気のフレームワークの一つです。

 

  • S(強味-Strength)

・南加茂台地区にあるという立地条件(通いやすい)

・1クラス6名までの少人数指導(きめ細かなハイブリッド形式の指導)

・個人塾ならではの低価格(近隣他塾に比べて安い授業料)

  • W(弱み-Weakness)

・実績がない(新規開校なので当然実績はない)

・認知度がない(存在そのものがまだ周知されていない)

・講師が塾長のみ(潤沢な授業コマ数を確保できない)

  • O(機会-Opportunity)

・南加茂台地区唯一の学習塾

・学区が被らないため、学校ごとの対策が必要なくなる。

  • T(脅威-Threat)

・少子化(地区の子ども数が減少している)

・競合の存在(大手フランチャイズ塾が近隣にある)

 

上記のようなSWOT分析を行った結果、当塾の位置づけは以下のように定まりました。

 

  • 南加茂台地区に密着した
  • 少人数クラス制の
  • 料金の安い
  • 補習塾

 

従いまして難関進学校の志願者や個別指導をお求めの親御様にとっては当塾はふさわしくないということになります。

逆に地元で学校授業の補強ができリーズナブルな値段でお子様に学習習慣を身につけてもらいたい親御様にとっては当塾はうってつけの「学習塾」と言えます。

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最後に

私が「学習塾」と出会ってから20数年の月日が流れました。私自身は大学卒業後、大手小売チェーンで、マネジメントの業務を9年、その後地元の企業で財務・経理の仕事を9年、そして奈良の貸衣装会社で経営に携わること3年と様々な分野で仕事を行ってまいりました。しかしあの時、あの塾長に出会っていなければ今とは全くちがった人生を歩むことになっていたかもしれません。

小学生~高校生という時期は人間形成における最も重要な時期ではないかと考えます。

典型的な落ちこぼれであった自分を立ち直らせてくれた「学習塾」という存在、決して規模の大きな塾ではないが、厳しく熱心に指導してくれた塾長。今度は私自身が未来を担う子供たちにその大切さを伝えていければこれにつきたる幸せはございません。

                                  ながも塾 塾長 奥野大樹

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